環境問題には様々な側面がありますが、例えば、温室効果ガスの対策として、工場や発電所などから発生する二酸化炭素を大気放散する前に回収し、地中貯留に適した層まで運び、長期間安定的に貯蔵する技術があります。その際、二酸化炭素を分離・回収する工程でモレキュラーシーブが使用されています。
また、植物から作られるバイオエタノールは、ガソリン等に混合して燃料として利用できます。バイオエタノールも燃焼により二酸化炭素を排出しますが、排出される二酸化炭素は植物の成長過程で吸収した二酸化炭素であり、結果、大気中の二酸化炭素は増加しないことが注目されています(カーボンニュートラル)。但し、バイオエタノールを他の燃料と混合使用する際には、エタノールの純度を上げる必要があり、バイオエタノールを精製する工程にもモレキュラーシーブが貢献しています。
汚水処理、ゴミ溶融炉等の高効率運転に酸素濃度を高めた空気が使用されております。その際、酸素濃度を高めるために、モレキュラーシーブが使用されております。
また、ハイシリカゼオライトは一般のゼオライトとは異なり、有機溶剤を優先的に吸着する性質があるので、有機物取扱い工場で空気中に排出される揮発性有機化合物(VOC)を回収する装置にも使用されています。
上記の例は、一部ですが、モレキュラーシーブは様々な環境問題の解決に貢献しております。