樹脂・塗料の分野では、モレキュラーシーブは主に下記のような用途に使用されています。

• 吸着特性を利用したフィラーとしての各種用途(樹脂練り込み)
• ケミカル・ローデッド・モレキュラーシーブ(CLMS)としての練り込み母剤 ( ※注 )
• 無溶剤タイプ2液ポリウレタン発泡防止
• 1液性ポリウレタンの保管安定性向上
• 塗料の色素沈殿防止
• 金属粉系ペイントの凝固防止、水素ガス発生防止
• PET、ナイロン樹脂などの成型加工時の雰囲気ガスの除湿

( ※注 ) ケミカル・ローデッド・モレキュラーシーブとは、特定成分を吸着させておき、脱着条件を制御することで反応を制御する方法です(徐放性等)。

ウレタン材料の脱水・発泡防止

塗料や電子材の封止剤等様々な分野に応用されているポリウレタンは、ポリオールとポリイソシアネートを混合して製造されていますが、イソシアネートは系内に水が存在すると尿素結合を形成します。

その際、二酸化炭素が発生し、硬化後に気泡痕として残ります。

モレキュラーシーブを添加し、上記の反応の原因となる水分を除去することにより二酸化炭素による発泡を抑制しています。2液性のウレタン塗料では硬化剤を混ぜてから使用可能な時間(ポットライフ)の設計が重要になります。

ポットライフは温度や湿度に影響されますが、モレキュラーシーブを添加することで水分を除去し、ポットライフの最適化を実現しています。